幸せとは

幸せとは
「幸せとは求めるものではなく、気付くもの」。

どなたのお言葉か分かりませんが、ある所で目にし、感銘を受けた言葉です。

私は「双極性障害」という精神疾患のため、1年間の復職期間を挟んで通算5年間休職をし、そのままこの3月に定年退職しました。

現在も通院、服薬を続けており、また、再就労を目指して毎日午前中は「就労移行支援事業所」という訓練施設に通っています。

この病を発症して以来、「何故、こんなことに」と思い、体調がすぐれず動くこともできない時には「もうこんな人生は終わりにしたい」と思うことが何度あったことか。

しかし、今、自分に問い直しています。「果たして自分は不幸なのか」と。

休職をし、今も訓練施設に通うのがやっとで働くことができない状態であることはとても残念で不本意なことです。「一刻も早くまた働けるようになりたい」と思っています。

一方で、休職中は給与の一部しか出ませんでしたが、合計すると給与とほぼ同額の金額が「見舞金」として支給されていました。また、現在は退職金や失業手当などのおかげで、衣食住は確保されています。そして、体調が良ければ趣味の和太鼓の稽古に通い、また、心学を学び始めることもできました。

毎朝、これも体調次第ですが、散歩をし、静かな気持ちで朝食を摂り、好きなコーヒーを飲んでゆっくりと過ごし、訓練施設へ出かけてゆく。施設でお昼をいただいて帰宅。午後は家でゆっくりするか、どこかへ出かけるかしています。

訓練施設の利用料はほとんどが公費で賄われ、またこの障害に係る医療費は減額されています。

最近はようやく本を読めるようにもなってきました。

この生活のどこが「不幸」なのだろうか。気分の落ち込みがひどい時を除けば、むしろ、とても有意義な生活ができているのではないか、幸せな生活をしているのではないかと思い直しています。

確かに将来のことを考えると不安でいっぱいです。このまま働けなかったらどうしよう。生活をしてゆけるのだろうか。

しかし、今は「働かねば」という執着を捨て、ゆっくりと世間を見まわして見聞を広め、自分を見つめて、自分は何をしたいのか、どうなりたいのか、そのためには何をすれば良いのかを考えることができている。

勿論、病気や障害はないにこしたことはありません。しかし、病気や障害があるから不幸、無いから幸福とは言えないと思います。

この病気に罹っていなかったら経験できなかったかもしれない時間を過ごせているのではないか、と思い始めています。

「幸せとは求めるものではなく、気付くもの」。アミン

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